片方の耳に補聴器、もう片方の耳に人工内耳を装用することをバイモーダル(bimodal)装用と言います。バイモーダル装用により次のようなメリットを得られることが、繰り返し実証されています。
優れた音質
音源定位(空間認識)
騒音下での音声認識
「ロジャー」は国内で販売されているほぼ全ての補聴器 / 人工内耳に対応できるのが特徴で、もちろんバイモーダル装用でも利用は可能です。ただいくつか注意点がありますので、整理して説明します。
バイモーダル装用者がロジャーを購入する時に気をつけることは?
バイモーダル装用者がロジャーを試聴、購入するには次のようなステップが考えられます。
(1)人工内耳の手術をされた病院の言語聴覚士さんに相談して、ロジャーのデモ機をレンタルできる補聴器販売店を紹介してもらう。
(2)ロジャーのデモ機を使って、2週間ほど日常生活(学生さんの場合は授業などでも)で試聴をしてみる。
(3)試聴で効果が認められるようなら、販売店に見積り、購入の相談をする。
補聴器販売店でも、ロジャーのことや人工内耳のことも詳しい店舗に出会えると良いと思います。
もし、お近くの販売店が分からない場合は、ご相談ください。
バイモーダル装用で使用できるロジャーとは
バイモーダル装用でロジャーを利用するには、補聴器 / 人工内耳だけで使う時と同様に、送信機(マイク)と受信機が必要になります。
送信機は 、近距離 / 個人用のロジャーオンV2、ロジャーセレクト、ロジャーテーブルマイクⅡ、遠距離 / 教育機関用のロジャータッチスクリーンマイク、ロジャーパスアラウンドマイクがあります。(パスアラウンドマイクはタッチスクリーンマイクのサブマイクとしてのみ使えます) ネットでよく表示されるロジャーペン / ロジャーペン iN は2021年12月に販売終了しています。
なおロジャーダイレクト(ロジャーオンV2 iN / ロジャーセレクト iN)はバイモーダル装用時は利用できません。
ロジャー送信機(話し手の方に使用していただき、声をワイヤレスマイクが集音し、難聴者が使う受信機まで送信) |
近距離対応マイク | 遠距離対応マイク |
ロジャー受信機(補聴器 / 人工内耳と一緒に使用していただき、送信機から送られる話し手の声を受信) |
受信機は、補聴器と人工内耳の機種によって接続できる機種が変わってきます。機種によってはオーディオシューと呼ばれるアダプターや各社のアクセサリーが必要なケースもあります。ネットでよく表示されるロジャーマイリンクは2021年4月に販売終了しています。
補聴器側のロジャー受信機
フォナック補聴器の耳かけ型補聴器
オーデオL バートP オーデオライフP オーデオP ナイーダP
バートM ボレロM オーデオM ナイーダM
ロジャーダイレクト対応機の為、基本不要だが、
バイモーダルの場合はロジャーダイレクト非対応の為、ロジャーエックス が必要となります。
(ロジャーエックスの受信機機能を補聴器側に移す必要があります)
ナイーダ B-SP スカイB-P/SP/RIC ボレロB-P/SP ロジャー18
ナイーダB-UP スカイB-UP ロジャー19
フォナック補聴器以外(シグニア社 / オーティコン社 / リサウンド社 / リオン社など)の耳かけ型補聴器
各社製品オーディオシュー+ロジャーエックス
各社の耳あな型補聴器(Tコイル搭載の機種のみ)
ロジャーネックループ
ロジャー18 / ロジャー19
ロジャーエックス
ロジャーネックループ
人工内耳側のロジャー受信機
詳しくは以下資料をご覧ください。
フィッティングガイド(ロジャーと人工内耳) (ソノヴァ・ジャパン社)
補聴器 / 人工内耳ともTコイル内臓であれば、受信機はロジャーネックループだけで利用できます
補聴器、人工内耳をTコイル用のプログラムに切り替えると、首にかけたロジャーネックループを介してロジャー送信機(マイク)からの声が聞こえます。
オーディオシューやアクセサリーなども必要なく、プログラムの切替えさえご自身でできるようであれば、比較的簡単にロジャーを利用いただけます。
ただし、 T コイル 特 性のため、 言 語獲得期のお子さまには推奨し ていません。
(2023/05/01 執筆 2023/05/06 追記修正)