フォナックのワイヤレスアクセサリー「パートナーマイク」
フォナックのサイトを見ると、以下のような説明文が見つかります。
パートナーマイクは騒がしい場所での1対1の会話に適した、小型のマイクロホンです。AirStream™(エアストリーム)技術により、最大25m離れた場所でも明確に言葉をストリーミングします。スイッチを入れるだけで会話をすることができ、常に指向性のため、向きを心配する必要もありません。
説明文だけを見ると、ロジャータッチスクリーンマイクと似てますよね。それなのに、カタログ値で比べると、大きさは約半分、重さはなんと5分の1、価格は半額以下!
さて、ここでは「タッチスクリーンマイクと何が違うのか」を徹底検証してみましょう。
一番の違いはネットワークが組めるか、組めないかです
ご存じの方も多いかと思いますが、タッチスクリーンマイクは教育現場で最も導入されているマイクです。一人の先生が使うタッチスクリーンマイクに接続できるロジャー受信機の数は無制限。受信機を選べば国内で販売されているほぼすべての補聴器 / 人工内耳との接続が可能です。またパスアラウンドマイクなど他のロジャー送信機も最大35台接続が可能ですし、デジマスターのような線音源スピーカーとの接続も可能です(5000 V2で1台、7000 V2で2台)。
一方、パートナーマイクは接続できる補聴器は、フォナック製の補聴器(マーベル / パラダイス / ルミティシリーズ)一組(両耳の場合)のみとなります。つまり一対一の会話用に特化した製品です。またタッチスクリーンマイクのようにPCや音響機器などの外部入力との接続はできません。
パートナーマイクの強みは、小さくて軽くて、さらにコスパが良いことです
パートナーマイクはロジャーと同じフォナック製のワイヤレスアクセサリーです。ロジャーの製品ではありませんが、ロジャーと同じ2.4 GHz帯の電波を使っているため、音質は変わりませんし、ロジャーと同じデジタル騒音抑制もありますので、騒がしい場所でも相手の声がはっきり聞こえますので、レストランや車の中などの屋外でも効果を発揮します。またロジャーと同様の加速度センサーも持っているので、付ける位置に関わらず声を拾うことが可能です(クリップ止めの際は、落とさないように気を付けてください)。補聴器との接続可能距離は、カタログではタッチスクリーンマイクより5m 長い25m となっております。
さらにタッチスクリーンマイクと違って受信機も不要ですし、マイク自体の価格も半分以下となりますので、トータルのコストパフォーマンスは圧倒的です。
教育現場での利用は厳しいですが、個人利用で一対一のシーンに限れば、充分選択肢の一つとなり得ます
「ロジャーまでの高い機器ではなく、ロジャー並みの性能を持ったマイクはないの」というリクエストに対して、一対一に限るなど利用シーンを絞ればこのパートナーマイクはお勧めです。
(2023/04/21 執筆)