教育現場や企業で、補聴援助システム「ロジャー」を利用してグループワークを行う方法

大学などの教育現場で講義形式の授業では、先生にタッチスクリーンマイクを付けていただいて、その声を難聴者の受信機に届けます。グループワークでは、ほかの学生たちも発言をするので、一つのマイクではみんなの声を拾いきれません。

 

そこでグループワークで、複数の方の声を拾えるロジャーの利用法を紹介します。

 

いくつかのパターンがありますが、気を付けたいのはマイクの組合せによって、先生の使うメインマイクとグループ側で使うマイクがミキシングできるパターン(1)と、メインマイクは使わずに先生の声もグループ側のマイクで一緒に拾うパターン(2)(3)があることです。

(1)メインマイクにタッチスクリーンマイク、サブマイクにパスアラウンドマイクを使う

 

パスアラウンドマイクは、タッチスクリーンマイクの補助マイク(子機)として、同一ネットワーク内で使用可能なマイクです。例えば講義中に、講師がタッチスクリーンマイクを使用し、学生が発表する際にはパスアラウンドマイクを回して使用するといったことができるので、席が離れていても安心です。

 

付属のマイクスタンドに立てて固定して使うこともできますし、スタンドからは外して手持ちで使うこともできます。タッチスクリーンマイク側で、ミキシングなどの各種設定が可能です。

 

(2ー1)グループワーク用にタッチスクリーンマイク / セレクト / オン V2(卓上モード)を使う

 

グループワークのテーブルにロジャー各種マイク(タッチスクリーンマイク / セレクト / オン V2)を置いて、それぞれのマイクの「卓上モード」で使用するパターンです。タッチスクリーンマイクは 4方向、セレクトとオン V2は 6方向からの声を拾って、難聴者が装用する受信機に届けることが可能です。

 

先生がタッチスクリーンマイクをメインで使っている場合、マイク2台(メインとテーブル上)を同時に繋ぐことができませんので、先生の声もテーブル上のマイクで拾う(15m~25m)ことになります。

 


(2ー2)グループワーク用にタッチスクリーンマイク / オン / ペン(インタビューモード)を使う

 

グループワーク側で、難聴者の方がロジャー各種マイク(タッチスクリーンマイク / オン / ペン)を手で持って、話者に向けてそれぞれのマイクの「インタビューモード」で使用するパターンです。(ロジャーペンは販売終了機種です)

 

先生がタッチスクリーンマイクをメインで使っている場合、マイク2台(メインと手持ち)を同時に難聴者の受信機に繋ぐことはできませんので、先生の声も手持ちのマイクで拾う(15m~25m)ことになります。

 

(3)グループワーク用にテーブルマイクⅡを使う

 

グループワーク側で、テーブル置きの専門機「ロジャーテーブルマイクⅡ」を使用するパターンです。 「ロジャーテーブルマイクⅡ」は360 度全方向からの話者の声のうち、最も明瞭に聞こえる方向が自動的に選択されます。会議やミーティングなどで話し手が切替った時、自動的にその切替りを追い、聞き手(難聴者)に切れ目なく話し手の声を届けることができます。 

 

ただしマイク2台(タッチスクリーンマイクとテーブルマイクⅡ)を同時に難聴者の受信機に繋ぐことはできませんので、先生の声もテーブルマイクⅡで拾う(15m)ことになります。

 


(2023/03/31 執筆 2024/01/15 加筆修正 / 妥当性判断)

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