「ロジャーネックループ」は耳あな型補聴器やTコイル内蔵の補聴器、人工内耳に対応するロジャー受信機です。ろう学校・聴覚支援学校・大学などの教育現場で、汎用受信機として導入が多い機種です。
2021年3月に「ロジャーマイリンク」の後継機としてリリースされました。一方マイリンクは2013年9月にリリースされ、2021年4月に販売終了(修理対応は2026年4月まで)となっております。
最近「以前導入したマイリンクは今でも使えるのでしょうか」というお問合せをいただくことが多いので、詳しく解説していきましょう。
まず「ネックループとマイリンクで、ロジャー受信機としての機能はほとんど変わりません」と言えます。つまりタッチスクリーンマイクなどで集音した音声情報(先生の声など)をネックループ / マイリンクを介して、補聴器 / 人工内耳に届けるといった機能は同等となっています。つまり難聴学生が授業で利用するという状況では、マイリンクでも十分機能するということになります。
ヘッドホンを繋いで、健聴者がモニターで使う機能も同等です。ただし、プラグの径はマイリンクが2.5mm、ネックループが3.5mmと異なります。最近のヘッドホンのプラグは3.5mm が主流ですので、お使いのヘッドホンのプラグがマイリンクに挿さるかは注意が必要です。また充電時間、フル充電での使用可能時間も同等ですし、音量調節も両機種とも可能です。
ではネックループとマイリンクの違いは何でしょうか。大きくは次の 2点です。
(1)PC / タブレット / スマートホンとの接続
ネックループ最大の改善点として「デジタル出力の採用によりPCなどとの接続が可能になったこと」が挙げられます。
これにより、PCなどと接続してUDトークなど音声文字化アプリとの連携が可能になりました。マイリンクでは、市販のアダプター「iRig 2」が必要でしたが、ネックループでは「iRig 2」なしで直接接続できます。(ただしPCやタブレット側の口の種類のよってはアダプターが必要です)
また細かいことですが、そういった利用状況では首掛け用ループケーブルは不要となりますので、ネックループでは取外しが可能です。マイリンクでは首に掛ける時のために片端のみ可能となっています。
(2)ディスプレイの採用
ネックループでは、このディスプレイにより「送信機(マイク)とのペアリングの状況」「電池残量が 5%以下になったこと」「充電時に電源に接続されたこと」などが視覚的に確認できます。マイリンクでは表示ランプにより、充電状況の確認は可能です。また充電が必要になった際に表示がされます。
(2023/02/17 執筆 2023/04/06 追記修正)
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