「ロジャー」は、スイスの補聴器メーカー「SONOVA(ソノヴァ)社」が「Phonak(フォナック)」ブランドで製造している補聴援助システムです。日本では「ソノヴァ・ジャパン社」が契約販売代理店を通じて販売しています。
どんな人にも。どんなシーンでも。
より良い聞こえをサポートする
補聴援助システム「ロジャー」
1. 言葉の聞き取りで、困ったことはありませんか?
次に示す3つの場面では、補聴器や人工内耳を装用していても、言葉の聞き取りが難しくなってしまいます。今日の補聴器のテクノロジーは、言葉の理解を向上するうえで大きな助けになっていますが、ある調査によると、補聴器装用者の 31%は依然として、騒音下での聞きづらさを感じています。
1.話し手と聞き手の距離が遠い
話し手と聞き手(補聴器 / 人工内装用者)が対面して距離が近ければ問題ありませんが、一般的には 2m を超えると、言葉の聞き取りが難しくなります。
2.周囲に騒音 / 反響音がある
補聴器 / 人工内耳のマイクロホンが本来聞こえなくてもよい周囲の騒音や反響音まで拾ってしまい言葉の聞き取りを妨げます。
3.複数人との会話
話し手が多く、あらゆる方向から声が飛び交うグループでの会話は、補聴器 / 人工内耳装用者にとって、最も聞き取りが難しい環境のひとつです。
2. 「ロジャー」は、その課題に応えます。
ロジャーは、話し手が使用する「送信機(ワイヤレスマイクロホン)」と、聞き手が使用する「受信機」、教室や会議室などに置く「線音源スピーカー」で構成されるシステムです。ワイヤレスマイクで拾った音声をデジタル無線方式で送信するので、補聴器や人工内耳だけでは言葉の聞き取りが難しい環境でも、よりクリアな「聞こえ」が可能になるのです。
3. 「合理的配慮」により、音環境の改善を考える皆さまへ
2013年にリリースされた「ロジャー」は、従来の「FM補聴器」の後継として、個人購入、もしくは聴覚支援学校などの聴覚障がい児専門の教育機関を中心に普及してきました。
2016年4月に施行された「障害者差別解消法」により、社会のさまざまな場所で「合理的配慮」が求められています。国公立の教育機関では合理的配慮が「義務化」され、この時点では「努力義務」として求められていた私立の教育機関でも、2024年4月に施行が予定されている「改正 障害者差別解消法」では「義務化」されることとなりました。(東京都のみでは私立大学でも既に「義務化」されています)
ロジャーは個人購入だけではなく、聴覚障がい者が学んだり、勤務したりする
多くの教育機関や企業で導入が進むことになったのです。
※ この表はロジャーの購入元をイメージしたもので、全ての教育現場を示している訳ではありません
4. 「ロジャー」3つのポイント
1
2
誰でも使える。カンタンに使える。 |
互換性 操作性
国内で販売されているほぼ全ての補聴器 / 人工内耳に対応。
補聴器 / 人工内耳を使っていない方で、言葉の聞き取りに
何らかの課題を抱えている方向けの、
補聴器 / 人工内耳不要の専用受信機もあります。
しかも、送信機と受信機は、ボタンひとつで接続。
82%のロジャーユーザーが操作が容易であると回答しています。
いろいろつながる。たくさんつながる。 |
拡張性 複数台接続
ロジャーのワイヤレスマイクから音を届けることのできる、
受信機の台数は無制限。送信機も複数台使用できます。
さらに既存の音響システムやヒアリングループ、TV会議システム、
電子黒板、音声認識アプリなど、さまざまな機器と一緒に
利用することができます。
3
聞きたい声を届ける。不要な音は取り除く。 |
高音質 快適性
デジタル無線方式で高音質の音を届けるだけでなく、
独自のテクノロジーで騒音を効率的にカットします。
指向性マイクロホン |
マイクが特定の方向から
音を拾う(指向性)ので、
聞きたい音がしっかり聞こえます。
自動音量調節 |
周囲の騒音レベルをマイクが
常時監視し、自動的に適切な
音量に調整します。
デジタル騒音抑制 |
マイクが拾ってしまった騒音も、
デジタル処理で取り除きます。
5. 教室も、体育館も、屋外でも。
学びの現場で聞こえをサポートします。
学 校 |
教 室
|
補聴器 / 人工内耳+ロジャー受信機
補聴器 / 人工内耳とロジャー受信機を一緒に使用し、
ロジャー送信機からの音声 / 音を受け取ります。
講 堂 体育館
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班活動 ゼミ
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ロジャータッチスクリーンマイクの「小グループモード」 複数人がランダムに話をする班活動やゼミは、言葉の聞き取りが最も難しいシーンのひとつ。 タッチスクリーンマイクを卓上に置くと、自動的に小グループモードに切り替わり、 話をしている人の声を優先的に集音してくれます。 |
通学路や放課後のコミュニケーションにも役立ちます。
自宅
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家族団らんのひとときも、 会話がより弾みます。 |
車内
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車の中や、大きな声を出しにくい バスや電車の中でも 無理なく会話することができます。 |
6.職場やプライベートのさまざまな場面でも、ロジャーが役立ちます。
職 場 |
大人数の 会議
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送信機を卓上に置くだけで参加者の声が聞こえます。 複数台の送信機を組み合わせることで、大人数や広い会議室にも対応できます。 |
セミナー 研修
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離れたところにいる話者の声が聞こえます。 |
リモート 会議
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パソコンやタブレットに接続すれば、音声を 届けてくれます。ロジャーオン V2ならヘッドセット モードを使用し、さらに快適にオンラインでの会議などに 参加できます。 |
プライベート |
外出
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駅やビルなど街中のさまざまな騒音環境でも、 同伴者とスムーズに会話ができます。 |
カウンター
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お店のレジ、銀行や駅の窓口など、 カウンター越しでの聞き取りも安心です。 |
会食
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レストランや居酒屋など、周囲が騒がしい 環境でも会話が弾みます。聞き取りにくい マスク越しの会話もサポートしてくれます。 |
テレビ
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テレビの音声を耳元に届け、 離れた位置でも音量を上げずに 楽しむことができます。 |
8. 送信機も受信機も。必要な機器をさまざまな組合せ方で。
ロジャー送信機(話し手の方に使用していただき、声をワイヤレスマイクが集音し、難聴者が使う受信機まで送信) |
近距離対応マイク | 遠距離対応マイク |
ロジャー受信機(補聴器 / 人工内耳と一緒に使用していただき、送信機から送られる話し手の声を受信) |
(フォナック補聴器専用)
(他メーカー補聴器用)
(耳あな型などの補聴器用)
ロジャー周辺機器(ロジャーの機能拡張や、環境整備のための機器) |
フォナックDSFシステム(線音源スピーカーにより反響音を抑え、話者の声を聞き取りやすくするシステム) |
(2022/09/17 執筆 2024/01/10 加筆修正 / 妥当性判断)
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