ロジャーオンの3つのポイント
(1)マルチビームテクノロジー2.0 など新しい機能に支えられたヒアリング パフォーマンス
(2)自動モード切替や、自分に合ったカスタマイズが可能なアプリなどに支えられた操作性
(3)これまでのロジャーと変わらぬほぼ全ての補聴器、人工内耳ユーザーが利用可能な互換性を保ち、聞き取り可能なあらゆる環境をカバーするマイクロホンモードなどの汎用性
ロジャーオンの外観デザイン
主に個人用として使用される、ロジャー近距離対応マイクロホンとして初めて搭載されたディスプレイ表示、同じく初めての4つのマイクロホン、これは三角と直線、二つの配列を兼ねた設計です。電源は側面にあり、中央には機能ボタンが一つだけと非常にシンプルなデザインとなっています。
充電はリチウムポリマー充電池、端子も最新のUSB-C端子を採用しており、使用時間はロジャーダイレクトで使用した場合は約8時間、従来のデザイン一体型受信機で使用した場合は約6時間となります。
カラーバリエーションは、軽やかなシャンパン、重厚なグラファイトグレーの2種類となっております。
ロジャーオンの裏面デザイン
裏面にはクリップと接続ボタンがあります。
2台分の受信機機能が付属している iNマイクロホンだけ、クリップの下にインストールボタンがあり、ロジャーオンとロジャーオン iNを見分ける外観上の違いとなります。
卓上モード
このモードでは、新しく搭載されたマルチビームテクノロジー2.0 が利用可能です。これまでとの大きな違いは、ステレオ信号に対応したという事です。その利点としては、ロジャーで初めて、ロジャーに入ってくる会話の方向を捉えることが可能となりました。どうやって方向を再現するかというと、人が音の方向、音源定位を得る為に自然に用いている左右の耳に起こる音の時間差や音圧差をロジャーオンを通じて補聴器に届けることが可能となった為です。
誰かが左側から話している場合は、左より右の音声がやや小さく、また少し遅れて届けられます。この空間情報によってユーザーは左から話している、と聞き取ることができます。これによりロジャーを使用した騒音下や複数人との会話における言葉の聞き取りの改善が更に期待できます。
ロジャーオンにはボタンが一つしかないのですが、別項で紹介しているアプリを使用すれば、ロジャーセレクトのように自由に集音方法を選べ、しかもロジャーセレクトと違い、本体に手を伸ばさなくても手元のスマートフォンで自由にコントロールすることができます。
インタビューモード 2.0
「ロジャーペン」の特徴であったインタビューモードも、「ロジャーオン」でさらに改良されました。
インタビューモード 2.0 はロジャーペンのように2つではなく、3つのマイクを連続して使用します。
3つのマイクによって、さまざまな指向性パターンを形成することが可能になり、それらを組合わせて状況に合わせた適切な指向性パターンを使用することができます。
これにより、話し手にロジャーオンを手渡すことができない状況や、テーブルにロジャーオンを置くことができない状況でも、聞き手が話し手にロジャーオンを向けるだけで、騒音下での言葉の聞き取りをもっと改善することができます。
プレゼンターモード
次にプレゼンターモードです。ロジャーセレクトやロジャーパートナーマイクⅡと同様、クリップで胸元に付けるだけで、取付け方向を気にしなくても、常に上向き口元方向の音を集中して拾うことができます。
ロジャーオンは本体にクリップが組込まれているので、パーツを取付ける必要はありません。またネックストラップも付属していますので、カットソーなど挟むところがない場合でも大丈夫です。
4つのマイクロホンの動作
さて今回初めてロジャーのマイクロホンに4つのマイクロホンが搭載された訳ですが、なぜ4つあるのかを簡単に言いますと、ロジャーセレクトとロジャーペンの良いところを統合させた為、と言えます。
具体的には、インタビューモードでは4つのマイクロホンの内、直線に並んだ3つのマイクロホンを使い、卓上モードとプレゼンターモードでは三角形に配列された3つのマイクロホンを使用することになります。
加速度センサーの機能
またロジャーオンには加速度センサーが搭載されていますので、ロジャーオンの角度によって自動でマイクロホンモードが切替わります。
どの角度で機能するかと言いますと、卓上モードでは水平で且つ静止している状態、インタビューモードは上下60度に傾けた場合に切替わります。
プレゼンターモードは90度から45度まで傾けても機能します。そしてその角度の範囲であれば、胸にどの角度で装着しても機能します。
外部入力モード
次に外部入力モードですが、ケーブルを介してテレビやパソコン、スマートフォンなどの音声を聞くことができます。
スマートフォンやタブレットはUSB-Cオーディオプラグ変換ケーブル(図右下の上)、テレビは赤白二又のオーディオプラグ変換ケーブルとUSB-Cケーブルで接続(図右下の左下)、もしくはヘッドホン出力にUSB-Cケーブルを接続(図右下の右下)していただく形になります。
テレビによっては、ヘッドホンとテレビのスピーカーを併行して使用できるようになっておりますので、テレビの設定をご確認下さい。
また外部入力モードでは、リモート会議にも使用できます。
まだまだ在宅勤務をしている方も多いと思いますが、充電用USBケーブルや、USB-Cオーディオプラグ変換ケーブルを介して、パソコンと接続して音声を聞いたり、リモート会議に使用可能ですので、今のコロナ禍の状況では大変役に立ちます。
ソフトケース
付属品であるソフトケースのご紹介です。ソフトケースは、写真左のようにスタンドとしても使用できます。
騒がしい環境で1人の人の声だけを聞きたい場合には、より相手の口元にマイクを向けてインタビューモードで使用することができるので、こういった利用シーンでは非常に便利です。
IP54 - 防塵・防水国際保護等級
ロジャーオンはロジャーマイクロホンで初めて、防塵・防水国際保護等級 - IP54 を取得しています。
完全防水ではないので注意は必要ですが、これまでよりも、ずっと気軽に日常使いをする事ができるようになりました。
ロジャーオンの利用シーン
ロジャーオンの利用シーンのご紹介です。
まずレストランや会議といった場面では卓上モードが利用でき、パーティーやパーテーションのあるカウンター越しの会話等ではインタビューモードでご使用いただけます。
そして講義や習い事、車内においては、プレゼンターモードで話し手に装着してもらって、テレビ、音楽鑑賞、リモート会議などでは外部入力モードで対応できます。
このようにロジャーオンは、生活のあらゆるシーンに対応できます。
既存製品との互換性について
他のロジャー製品との互換性について説明します。
既存製品との互換性(受信機)
初めにロジャーオンと接続できる受信機です。受信機はこれまでの全てのロジャー受信機が利用可能です。
iN マイクロホンは受信機をインストールした補聴器としか繋がらないという誤解をされがちですが、それは誤りです。ロジャーフォーカスⅡや、人工内耳用受信機であっても、iN マイクロホンを接続する事は可能です。
フォナックだけの機能「ロジャーダイレクト」
そして今の受信機機能は「ロジャーダイレクト」です。マーベル以降のフォナック補聴器には、後づけの外部受信機機能なしで、受信機機能を補聴器にインストールする事でロジャーを使用することが可能になりました。受信機を取付ける必要がないので、小さく、軽く、そして使用時間も長持ちします。
既存製品との互換性(送信機)
次に送信機との互換性です。ロジャーオンは近距離対応マイクロホンですので、ロジャーセレクト、ロジャーペン、ロジャーテーブルマイクⅡとは互換性はあります。
しかし、ロジャータッチスクリーンマイク、ロジャーパスアラウンドマイクなど遠距離対応マイクロホン、またはロジャーリピーターやロジャーデジマスターとはマルチトーカー・ネットワークを組むことはできませんのでご注意下さい。
サイズ / 重量比較
ロジャーオンは、画像だと大きく見えるかもしれませんが、ロジャーペンよりも短く、10センチを切ったちょうど手のひらに収まるサイズになっています。
重さも、ロジャーペンやロジャーセレクトよりも少し軽くなっています。
製品の詳細
今回、ロジャーオンとオン iN の2つの製品が発売されますが、機能的な違いは、iN に付いているロジャーダイレクト補聴器用の受信機機能があるか、ないかだけです。
保証期間はオンは2年間、オン iN は1年間となっております。またロジャーオンは、ロジャーペンやロジャーセレクトと違い、iN でないタイプも今回は Bluetooth によるハンズフリー通話はサポートされていませんので、ご注意下さい。
価格ですが、これだけの機能のアップデートがありながら、ロジャーオンの希望小売価格は、ロジャーセレクトと同じ価格となっています。
またロジャーオン iN はオープン価格となっています。iN の価格、またロジャーオンのこども割の価格は、こちらからお問合せ下さい。
(2022/01/13 執筆 2022/08/17 加筆修正 / 妥当性確認)
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