2018年にリリースされた「ロジャーダイレクト」は、少し分かりにくいのですが、製品の名称ではなく機能の名称になります。つまり「ロジャー受信機の機能を専用の補聴器にインストールすることによって、受信機がなくても使える送信機」ということになります。(この説明でも分かりににくいですが。。苦笑)
当初2020年1月には「ロジャーペン iN」「ロジャーセレクト iN」の2機種がリリースされました。ちなみに製品名の「ロジャー iN」は「ロジャー イン」ではなく、「ロジャー アイエヌ」と呼びます。「ロジャーペン iN」は2021年12月に販売終了となり、後継機として「ロジャーオン iN」が2022年1月にリリースされました。よって2023年現在では「ロジャーオン iN」「ロジャーセレクト iN」の2機種が販売されています。
「ロジャーダイレクト」は「ロジャーの送信機と補聴器が受信機なしで直接繋がる」という、セールスポイントが素晴らしいものでありますが、一方で、ご利用いただくにあたっての注意点がメーカーのカタログでも、販売店のサイトでもしっかり説明されているとは言い切れず、ロジャーダイレクトの「メリット」も「デメリット」も中途半端にしか伝わっていない感が否めません。
そこで、ここではそれらを再度整理した上で、
「この使い方なら、圧倒的コストパフォーマンスで、「ロジャーオン」「ロジャーセレクト」を使い倒せる」
「この使い方では注意が必要。コストパフォーマンスの良さだけではなく、他の選択肢を考える必要がある」
という事を忖度なくお伝えしたいと思います。
ロジャーダイレクトの圧倒的コストパフォーマンス
まずは、その「圧倒的コストパフォーマンス」から説明しましょう。「ロジャー iN」の場合、他のロジャー製品と違ってカタログで「オープン価格」と表記されていることが「分かりにくさ」に拍車をかけています。いろいろな販売店のサイトでも、そこをしっかり表記していないんです。恐らくほとんどの販売店で、110,000円(税込)の提示になっていると思います。当サイトでは販売店の紹介をいたしますので、ご購入をご検討の方は、お問合せ にてご相談ください。
「ロジャーオン」「ロジャーセレクト」は、標準小売価格で 140,800円(税込)、これに受信機が必要となりますので、片耳でもプラス約10万円、両耳だとプラス約20万円がかかります。つまり補聴器 / 人工内耳を片耳装用の場合は約25万円、両耳装用の場合は約35万円が必要となります。(助成金を利用しない場合)
ところが「ロジャーオン iN」「ロジャーセレクト iN」の場合、補聴器2台分にインストールできる受信機機能を備えていますので、片耳装用でも両耳装用でも 11万円で事足りるわけです。つまり約 2分の1 から 3分の1 の価格でフル機能の「ロジャーオン」「ロジャーセレクト」が使えるという事になります。フル機能ということは、マイクの性能としては全く変わりありません。
ロジャーダイレクトは受信機不要なので付け心地も快適
ロジャーダイレクトを利用する場合、受信機が不要となります。
●外部受信機不要だから、より小型で付け心地も快適です・
●取付作業でホコリや水が入らないので、故障のリスクも削減できます。
ロジャーダイレクトは補聴器を選ぶ
ロジャーの大きな特徴のひとつとして「国内のほとんどの補聴器・人工内耳に接続できる」という事があります。ただし「ロジャー ダイレクト」が、その受信機機能をインストールできる補聴器はフォナック製補聴器の「ルミティ」「パラダイス」シリーズと「マーベル」シリーズだけとなります。パラダイスは2020年12月リリース、マーベルは2019年6月リリースされたシリーズです。
下の表のように、スカイ(お子様向け)は未だにパラダイスシリーズがリリースされていません。コロナの影響もあり、世界的にリリースが遅れているようです。なお耳かけ型のボレロは、同じく耳かけ型パワータイプのナイーダに統合されるようで、ボレロ パラダイスのリリースは予定されていない模様です。
2022年は完全防水のオーデオライフ(パラダイスシリーズ)、新プラットフォームのオーデオルミティがリリースされました。
ロジャーダイレクト対応 フォナック製補聴器一覧
ロジャーダイレクトの一番の注意点は、他の送信機と接続できないこと
ロジャー ダイレクトの場合、ご購入後に受信機の機能を補聴器にインストールします。(この作業は販売店が致します)
これによりロジャー受信機なしで、ロジャー iN から送られた音を補聴器で聞き取ることが可能となります。しかしその一方で、他のロジャー送信機との接続はできなくなります。
例えば、ご自宅やプライベートでロジャーセレクト iN を使ったその補聴器で、学校で利用している別の送信機(ロジャータッチスクリーンマイクなど)とは接続ができないのです。
よって、学校や会社、自宅など複数の場所や場面で、複数のロジャー送信機と接続する使い方をされる場合は、ロジャーダイレクトの利用はしないという選択肢もある訳です。
なお、ロジャー iN に関しては受信機機能をインストールした補聴器だけでなく、他の受信機とも接続は可能です。
左右別々の補聴器 / 人工内耳を装用されている場合も注意が必要です
ロジャー iN に関しては受信機機能をインストールした補聴器だけでなく、他の受信機とも接続は可能ですと書きましたが、それは「単独で」という条件下になります。例えば左右で「iN 対応のフォナック製補聴器」と「それ以外の補聴器 / 人工内耳」を装用されている場合には、同時に使うことはできません。詳しく説明した記事は別途執筆中です。
ロジャーダイレクトの比較まとめ
※ 受信機の価格に関しては、代表的なもので表示しています。お選びになる機種によって前後します。
※ ロジャー iN の価格はオープン価格です。最終的には販売店より提示となります。
(2021/11/13 執筆 2022/08/17 加筆修正 / 妥当性確認 2023/03/25 加筆修正 / 妥当性確認)
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※ ロジャー iN の価格はオープン価格です。最終的には販売店より提示となります。
(2021/11/13 執筆 2022/08/17 加筆修正 2023/01/05 加筆修正 2023/04/30 加筆修正 / 妥当性確認)
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